止水栓（ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰ式・ﾊﾝﾄﾞﾙ式）が固くて回らない場合の対処方法

止水栓が固くて回らない

通常、止水栓は手で回したり、マイナスドライバーを使って閉栓しますが、どうしても固くて回らない場合があります。

止水栓を閉めなければならないという状況は、メンテナンス時、緊急の水漏れ時など、どうしても必要な状況にあると思います。

止水栓とは

止水栓とは、建物全体の水を止める大元の栓（バルブ）ではなく、トイレ・洗面台・キッチンなどに個別で設けられている栓（バルブ）の事をいいます。

大元の栓（ﾊﾞﾙﾌﾞ）=　水道メーターや、給水ポンプのバルブなど、主に屋外に設置されている水道の元栓。

止水栓を閉める事によって、建物全体の水を止めることなく、必要最小限の箇所で水を止める事ができます。

また、水量の調整機能も兼ねている為、水圧を強くしたり、弱くしたりもここで行う事が出来ます。

止水栓の設置場所（ﾄｲﾚ・洗面・浴室・ｷｯﾁﾝ）

止水栓の設置場所は、箇所によって違い、水栓やトイレの形状などによっても異なっています。

トイレ

トイレの止水栓は、主に壁や床に設置されており、トイレ本体から出ている給水管・給水ホースなどを追っていくと、たどり着きます。

洗面所（洗面台）

洗面所（洗面台）は、洗面台の下の収納内に止水栓が設置されている事がほとんどです。

湯・水が使える場合は、2箇所。（基本的には、左が湯・右側が水）

浴室（ユニットバス・在来風呂）

浴室の場合、止水栓が単体である事はあまり無く、水栓金具に止水栓が付いている事が主になります。（無いものもある）

浴室の場合、水栓本体に止水栓がない場合や、水栓本体を交換する場合などは、大元の栓を閉めなければなりません。

キッチン（台所）

壁付タイプの水栓の場合

壁側に水栓が付いている場合（壁付タイプ）は、水栓本体の止水栓以外はありません。

台付タイプの水栓の場合

台付タイプの水栓の場合、止水栓は、主にシンク下の収納内の奥に設置されています。

だたし、場合によっては、点検口よって止水栓が隠れている事もある為、しっかりと確認をしましょう。

止水栓の止水ハンドルの種類（ハンドル式、ドライバー式）

止水栓の止水ハンドルは、主に2種類があります。

工具不要で手で回す事が出来る「ハンドル式」

通常の蛇口のハンドルの形状をしていて、工具を使わずとも手で開閉ができるタイプです。

右回りで閉栓。左回りで閉栓。となります。

マイナスドライバーを使用して、開閉する「ドライバー式」※Ｄ式

ハンドルが無く、マイナスドライバーを使って回す、ドライバー式（D式）です。右回りで閉栓。左回りで閉栓。

止水栓が固く回らない原因は

止水栓が固く回らない原因は、水垢が原因の固着です。

錆びが原因などと考えられる方もいるかと思いますが、止水栓の外部・内部が錆び錆びになっているという事は、ほとんどありません。

止水栓内部のスピンドルと呼ばれるネジ部分が、水アカによって固着してしまい回らない原因となります。

水廻りの製品が、水垢で固着して回らない・分解できないという事は、とても多い事例です。

必要な工具

ハンドル部で水漏れが発生した場合に必要　　水栓ハンドル内パッキン

固くなった止水栓の回し方

ドライバー式止水栓の場合

方法①　マイナスドライバーを横からかけて回す

作業スペースが狭いと出来ませんが、下の画像のように、止水栓の溝に、マイナスドライバーの先端を横にかけて、回します。（すべらないようにしっかりと工具をかけます）

「てこの原理」で、回し方向に力が掛かりやすいので、通常の回し方よりも、回る可能性が高くなります。

方法②　水栓ドライバーを使用して回す

通常のマイナスドライバーよりも、先端の幅が広い水栓ドライバーを使用します。

止水栓の溝にしっかりとかかるので、工具が滑りにくく、回しやすいです。

止水栓によって、溝の幅が狭い場合は、工具がかかり難い場合があります。

また、止水ドライバーにさらに工具（ﾓﾝｷｰﾚﾝﾁなど）をかけて回すと、力がしっかりとかかります。

方法➂　ウォーターポンププライヤーで挟んで回す

これは、方法①、②で回らなかった場合や、止水栓の溝がつぶれてしまってドライバーがかからなくなってしまった場合に行います。

ウォーターポンププライヤーで、止水栓のスピンドルの先端をつかみ、止水方向に回します。

しっかりと挟まないと、滑るので注意しましょう。

スピンドルの出っ張り具合によっては、プライヤーでつかめる部分が少ない場合があります。

その場合は、止水栓のナットを一旦取り外し、プライヤーで掴める面積を確保します。

もしも、CRCなどを使用するならば、この時点です。（使用後は、しっかりと水を出し、吐かせましょう）

ハンドル式止水栓の場合

止水栓のハンドルをウォーターポンププライヤーを使って回します。

プライヤーを大きく開き、ハンドルの2点に引っかけて回します。

少し回れば、あとは手で回す事が出来ます。

止水栓が回った後に、水漏れが発生した場合

長年、操作していなかった止水栓を回すと、ハンドルのナット部分から水漏れが起こる事が多々あります。

まずは、ナット部分を工具で増し締めしましょう。

止水栓のフクロナットを、工具で締め込む事により、水漏れが治まる事があります。

水漏れが治まったかどうかは、すぐには分かりません。10分以上おいて再度確認しましょう。

ナットの増し締めでも水漏れが治まらない場合

止水栓ナット内部のパッキンを交換しましょう。

まとめ

基本的には、上記の様な「力技」で回すしか方法がありません。

これらの方法でも回らない場合は、止水栓自体を交換しなければならない事もあります。