TOTO S536B 手洗付隅付ロータンク 水漏れ修理方法(ボールタップ・フロートバルブ交換手順)
TOTO 手洗付隅付ロータンク S536B(1995-2020年)

TOTO S536B の特徴
一見、隅付ロータンクはすべて同じに見えますが、こちらのS536Bは、若干特徴が異なります。
①レバーハンドルが大洗浄のみ
便器洗浄は「大」のみです。レバーハンドルは向かって左に90°動くだけです。
②タンクの寸法が長い
洗浄水量は、大 16ℓ になります。 そのため、タンクのサイズが若干縦長になります。


症状:タンクの水が止まらない

便器洗浄後の給水が、タンクにいっぱいに溜まっても水が止まらない状態です。
給水され続けた水は、タンク内の筒「オーバーフロー管」へ流れ込み、便器の方へ流れ出していきます。

少量の水漏れでも、水道料金が大幅に上がることも
蛇口から水が出続けているのと同じ状態なので、放置しておけば当然、水道使用量にも影響がでます。
水道料金が1万円以上が上がってしまうという事も、珍しくありません。
水漏れは放置しても良くなる事はありません。早めの対処が必要です。
原因:ボールタップ・フロートバルブの消耗
タンクへの給水・止水をコントロールするボールタップの消耗が原因です。

通常、タンク式のトイレは、便器洗浄後に給水が始まり、タンク内に規定水量まで貯まると給水が自動で止まるというのが正常な状態になります。
これに関係する部品は、大きく2点です。
「ボールタップ」
タンクのフタを開けて、すぐ目に入るものがボールタップです。
浮き玉が付いており、タンク内の水位の変化により浮力で位置が上下し、連動して開栓・閉栓をするしくみとなります。
タンクに水が溜まる(水位が高くなる)→ 浮き玉の位置が上がる → 水が止まる
タンクの水が抜ける(水位が下がる)→ 浮き玉の位置が下がる → 水が出る
「フロート弁(排水弁)」
タンクの底面の中央に付いているものが、フロート弁(排水弁)です。
フロート弁は、タンクに溜まった水が流れない様に留める役割と、便器内に水を排水する弁の役割をします。
また、ボールタップの故障によりタンク内への給水が止まらなくなった場合、タンクから水が溢れない様に、便器内へ水を逃がすオーバーフロー管の役割もかねています。
弁の開閉は、レバーハンドルと連動しています。
通常の修理で交換するのは、フロート弁全てではなく、劣化がし易いフロートバルブ(黒いゴム玉と鎖)部分を換える事がほとんどです。
ボールタップ・フロートバルブは、セット交換が基本
ロータンクの主要部品であるボールタップとフロートバルブ部は、同時交換が基本です。
理由は、先に述べた通り、どちらも正常に作動しなくては、「水が止まらない」状態が発生してしまう為です。
ボールタップの動作は、タンクの水位の変化によって機能する為、タンク内に水を留めておく役割を果たすフロート弁(フロートバルブ)が消耗していても、ボールタップは正常に作動しません。
フロート弁の消耗により、
①タンク内の水が抜けて減っていく
⇩
②ボールタップが給水を始める
⇩
➂水が溜まり給水がストップする
⇩
①へ戻る
このサイクルを繰り返してしまう為、同じ様に「ボールタップの水が止まらない」状態になります。
取替用部品:ボールタップ・フロートバルブ
TOTO ボールタップ THYS2A
フロートバルブ THD31(隅付タンク用)

ボールタップ・フロートバルブ交換手順
ボールタップ・フロートバルブの交換手順は、別記事をご参照ください。

補足:S536Bには補給水管があります

S536Bに組み合わさる便器は、サイホン式と呼ばれる水溜まり面が広い便器になります。
補給水管を正しく繋がないと、便器洗浄後の便器内の水溜まり水位が正常に戻りません。
以前よりも水位が下がっている場合は、こちらを確認しましょう。



修理完了



TOTO ボールタップ THYS2A
フロートバルブ THD31(隅付タンク用)

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