ジャニス工業(Janis) 手洗付ロータンク TL512LD <水が止まらない・修理> ボールタップ・フロートゴム交換方法
ジャニス(Janis) 手洗付ロータンク TL512LD (~1997年)
※便器品番 C760



症状:便器洗浄後、タンク内の水が止まらない。
トイレを流した後、タンクへの給水がいつまでも止まらずに流れ続けています。
少量の内は気づき難いかもしれませんが、流れる量が増えると、タンク内のオーバーフロー管を通った水は便器へ流れ込む為、便器内の水溜まり面が波打つ状態になります。
<参考画像>


少量の水漏れでも、長く続けば水道料金に大きく影響が出ます
蛇口から水が出続けているのと同じ状態なので、放置しておけば当然、水道使用量にも影響がでます。
水道料金が1万円以上が上がってしまうという事も、珍しくありません。
水漏れは放置しても良くなる事はありません。早めの対処が必要です。
原因:ロータンク内部部品(ボールタップ、フロートゴム)の消耗
水が止まらなくなる原因は、ロータンク内部の部品の消耗によるものがほとんどです。

通常、タンク式のトイレは、便器洗浄後に給水が始まり、タンク内に規定水量まで貯まると給水が自動で止まるというのが正常な状態になります。
これに関係する部品は、大きく2点です。
「ボールタップ」
タンクのフタを開けて、すぐ目に入るものがボールタップです。
浮き玉が付いており、タンク内の水位の変化により浮力で位置が上下し、連動して開栓・閉栓をするしくみとなります。
タンクに水が溜まる(水位が高くなる)→ 浮き玉の位置が上がる → 水が止まる
タンクの水が抜ける(水位が下がる)→ 浮き玉の位置が下がる → 水が出る
「フロート弁(排水弁)」
タンクの底面の中央に付いているものが、フロート弁(排水弁)です。
フロート弁は、タンクに溜まった水が流れない様に留める役割と、便器内に水を排水する弁の役割をします。
また、ボールタップの故障によりタンク内への給水が止まらなくなった場合、タンクから水が溢れない様に、便器内へ水を逃がすオーバーフロー管の役割もかねています。
弁の開閉は、レバーハンドルと連動しています。
通常の修理で交換するのは、フロート弁全てではなく、劣化がし易いフロートゴム(黒いゴム玉と鎖)部分を換える事がほとんどです。
こちらの修理をするためには、ボールタップ・フロートゴムの交換が必要です。
ボールタップ・フロートゴムは、セット交換が基本
ボールタップの動作は、タンクの水位の変化によって機能する為、タンク内に水を留めておく役割を果たすフロート弁(フロートゴム)が消耗していても、ボールタップは正常に作動しません。
フロート弁の消耗により、
①タンク内の水が抜けて減っていく
⇩
②ボールタップが給水を始める
⇩
➂水が溜まり給水がストップする
⇩
①へ戻る
このサイクルを繰り返してしまう為、同じ様に「ボールタップの水が止まらない」状態になります。
ロータンクの主要部品であるボールタップとフロートゴムは、同時交換が基本です。
取替用部品:ボールタップ・フロートゴム(他社製代替品・純正品)
TOTO ボールタップ THYS2A

カクダイ ロータンクゴムフロート 4643

ジャニス製 純正部品はこちら(クリック)
ジャニス ボールタップ 手洗付 NC780LTGBN
ジャニス フロートゴム P5217
ボールタップ・フロートゴム 交換方法
必要工具
・マイナスドライバー
・モンキーレンチ
・ゴム手袋
ボールタップ・フロートゴム 取替え手順
止水栓をマイナスドライバーで閉め、水を止めます。
水が止まった事をしっかりと確認しましょう。

止水栓から繋がる給水管を、ロータンクの手前で、工具を使用して取り外します。

取り外し時に、内部から残り水が出ますので、タオルや容器などで水を受ける様にしましょう。
タンク外側のボールタップの固定ナットを工具を使用して、取り外します。

固定ナットを取外し後、ボールタップをタンク内側から抜き取ります。

洗浄レバーに繋がる鎖を取外し、フロート弁の根本のフック状部分に、フロートゴムが引っ掛かる形で取り付けてあります。
フロートゴムを取り外します。

劣化したフロートゴムは、溶けだしている為、素手で触ると手が真っ黒になってしまいます。(なかなか落ちません。)
ゴム手袋を着用しましょう。
基本は、取外しと逆の手順で行います。
カクダイ製のフロートゴム(4643)を使用する場合は、メーカーごとに取付穴が異なりますので、下の画像の位置で取付るようにしてください。

クサリは、張り過ぎず、若干のたるみをもたせて洗浄レバーに取り付けます。

基本的には、取外しと逆の手順で取付けます。(ボールタップは一部、組み立てが必要)

取付後、止水栓を開け水位調整を行います。
止水栓を開ける時は、手洗い連結管(ジャバラホース)を手で持ち、先端をタンク内へ向けてください。
水が噴き出します。
<TOTO製ボールタップ THYS2A の止水位調整の方法>
そのままの状態では、ボールタップの止水位(水が止まる位置)が高い為、オーバーフローしてしまいます。
調整リング(薄ピンク)を回して、調整を行います。
調整リングを回す。→ タンクの水を流す(減らす)。 → 止水位を確認する。



トイレ ロータンク内のオーバーフロー管に記されている線をウォーターライン(W.L)と呼びます。
トイレタンクには、設計上、便器洗浄する為に必要な水量が定められています。
適切な水量でトイレを流さないと、排水詰まり・洗浄不良の原因となります。
ボールタップと手洗い管を繋ぎ、タンクの蓋の取付をします。
<TOTO製ボールタップ THYS2Aを使用の場合>
そのままでは、手洗い管と連結管のネジ規格が合わない為、接続ができません。

ボールタップ付属品のアダプターがありますので、そちらを使用する事で接続が可能です。



完成

使用した取替用部品:ボールタップ・フロートゴム(他社製代替品)
TOTO ボールタップ THYS2A
カクダイ ロータンクゴムフロート 4643
ジャニス製 純正部品はこちら(クリック)
ジャニス ボールタップ 手洗付 NC780LTGBN
ジャニス フロートゴム P5217
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